空き家を相続したら? やるべきこと
空き家の現状
住宅・土地統計調査(総務省)によれば、空き家は年々増加しつづけており、2023年のデータでは日本の総住宅数のうち、空き家の割合(空き家率)は13.8%(900万戸超)となっています。
空き家のうち約40%が戸建て住宅、約56%が共同住宅となっています。
さらに詳しくみると、一戸建は「賃貸・売却用及び二次的住宅を除く空き家」(つまり住宅を目的としていない空き家)が最も多く、約80%を占めています。
共同住宅では、「賃貸用の空き家」が最も多く、約80%を占めます。
そして、住宅を目的としない空き家のうち、なんと約75%超が昭和55年以前(新耐震基準以前)に建設されたものということです。
古い建物には次のようなリスクがあります。
○防災性の低下・・・倒壊、崩壊、屋根・火災発生のおそれ
○防犯性の低下
○ごみの不法投棄
○衛生の悪化、悪臭の発生
○景観の悪化
○その他・・・樹枝の越境、雑草の繁茂、落ち葉の飛散など
放置のリスク
空き家は現状にもよりますが多くの場合、なかなか快く相続したいと思うものではないことが多いでしょう。
しかし、絶対にやってはいけないのが気が進まないからと「放置すること」です。
1. 相続登記義務化
相続人は自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内に相続登記の申請をすることが義務付けられました(不動産登記法第76条の2第1項)。
正当な理由なく義務を怠った場合は、10万円以下の過料が科されます。
2. 空き家対策特別措置法の改正
改正の背景
空家の増加が見込まれる中、周囲に著しい悪影響を及ぼす「特定空家」※になることを待つことなく、特定空家になる前の段階から管理の確保を図ることにあります。
※特定空家等は以下のような状態にある空家のことをいいます
① 倒壊等著しく保安上危険となるおそれのある状態
② 著しく衛生上有害となるおそれのある状態
③ 適切な管理が行われないことにより著しく景観を損なっている状態
④ その他周辺の生活環境の保全を図るために放置することが不適切である状態
*国が空家の管理指針を告示※
(※告示・・・国・地方公共団体が国民・住民にお知らせすること)
(例)
・所有者が定期的に、空家の換気、通水、庭木の伐採等を行う
・自ら管理できない場合は、空家等管理活用支援法人等
に管理を委託するなどにより、空家を適切に管理する
*市区町村長は、放置すれば特定空家になるおそれのある
「管理不全空家」に対し、管理指針に即した措置を「指導」
*指導してもなお状態が改善しない場合には「勧告」が可能
➡ 勧告を受けたときは、当該空家の敷地に係る
固定資産税等の住宅用地特例※を解除。
※固定資産税等の住宅用地特例
小規模住宅用地(200㎡以下の部分):1/6に減額
一般住宅用地(200㎡を超える部分):1/3に減額
*市区町村が空家等に工作物を設置している者(電力会社等)に所有 者情報の提供を求めることができる旨を明確化
*所有者に代わって建物管理を行う「管理不全建物管理人」の選任を市区町村が裁判所に請求可能
3.所有者としての損害賠償責任
たとえば、老朽化した屋根やブロック塀などが崩れ、通行人にケガをさせた場合、損害賠償責任を問われるリスクがあります。
以上みてきたように、空き家を相続したら面倒でも
〇相続登記をすること
〇自分が所有している限り、維持管理を怠らないこと
が欠かせないものとなります。
相続した空き家をどうするのか
相続した空き家について、自分で住む予定がない場合、一生維持管理に追われるのはお金も労力もかかり、とても大変です。
他の選択肢としては賃貸、売却、国に代価を払って引き渡すことが挙げられます。
賃貸の場合
リフォームなどが必要となる場合、まずその費用を工面しなければなりません。
比較的状態が良い空き家ならリフォームの費用対効果が望める可能性がありますが、あまりに手を付けるのが難しいような空き家は初めに莫大な費用がかかりますので、資金に余裕のある方以外は避けるべきでしょう。
入居者が現れれば継続的な収入が得られますが、初期費用の回収までしばらく時間がかかることは確実です。
売却の場合
一定の要件(昭和56年5月31日以前に建築されたこと、耐震リフォームをしてから売るか、更地にして売る等)を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を控除でき、売却時の税金を大幅に減らすことができます。
この控除を受けるには期限(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)があるため、早目の決断が必要です。
国に引き渡す(相続土地国庫帰属制度)
この制度は、「売るに売れない」「誰も使わない」土地を国に引き取ってもらう制度です。ただし、建物がある状態では引き取ってもらえません。また一定の要件を満たした土地に限ります。
≪この制度を利用する場合の流れ≫
①建物がある場合は更地にし、承認申請をする。
審査には手数料がかかります。
②法務大臣による審査後、承認か否かの結果が出ます。
③承認の場合、10年分の管理費相当額(原則20万円〜)を国に納付
④国へ引き渡し
【この記事の監修者】
吉川 麻知子(行政書士吉川麻知子事務所 代表)
神奈川県行政書士会所属(登録第26092019号)
横浜市南区・港南区を中心に、相続手続き・遺言・老後対策に重点をおいて業務を行う。
女性ならではの、きめ細やかな視点でお客様に温かく寄り添い、丁寧親切をモットーに親しみやすい雰囲気をもつ行政書士。
同じカテゴリの記事
初回無料相続相談お申込み
ご提案・お見積り・今後のスケジュールなど分かりやすくご案内いたします。
まずは話だけ聞いてみたい方もお気軽にどうぞ。
お悩みをじっくりお伺いするため
「事前予約制」です
電話受付:平日 10:00〜16:30
- 面談中などでお電話に出られない場合
留守番電話にお名前、ご連絡先、ご用件を簡単にお話しください。折り返しいたします。 - 大切な財産を扱うため、ご相談は無料相談にてお話を伺っております。
カテゴリー一覧
© 行政書士吉川麻知子事務所
All Rights Reserved.
無料相談ご予約・お問い合せ















